流浪の月

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 本屋大賞を受賞した凪良ゆう著『流浪の月』を読む。小説を読む人は何を求めるのか?もう一人の自分、いや本来の自分自身をそこに探し出すのではないか?
 愛情をもち自由に育てられた少女更紗は、親を失い自由を奪われ、少女は息苦しさと共に生きることになる。ありのままの自分を受けいれ彼女自身でいられる場所を見つける、小児性愛者の文であった。大人の女を愛せない男性、DV、社会通念の圧力を描きながら、人間の闇と共に、人は一人では生きられない。愛とは何かを問う。
 私の好きな小説家、小池真理子が書いた『欲望』という小説がある。そこにも性的不能者の青年に恋する女性が登場した。その青年は絶望して自殺する。個人の内面だけを掘り下げ、恋する女性の思いと美しい情景描写が印象に残る小池文学。小池文学とは違うところは本書はインターネット社会など現代社会や常識的な生き方や管理社会を浮き彫りにしている。
 小説好きな読者は更紗の世間とは相容れない鬱積した思いに共感し、私自身である場所を更紗と共に探求する。それはまた己の中に秘めた自分自身を確認するようにでもある。

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